大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和27年(ラ)13号 決定

抗告人 川田光男

右法定代理人親権者

父 川田一政

母 川田ツネ

主文

原審判を取消す。

抗告人の名「光男」を「数彦」と変更することを許可する。

理由

抗告人は主文同旨の裁判を求めその抗告理由は別紙記載の通りなので案ずるに本件記録中の戸籍謄本と川田一政の審訊の結果によると抗告人は昭和二十三年○月○日に生れ当時「彦」の字は当用漢字に無かつたところ抗告人の父は抗告人の名を「数彦」として戸籍吏に出生届を提出したため受理せられなかつたのでやむを得ず「光男」として届出でられたが同人の名は「数彦」で通つて居り、抗告人自身も「光男」の名を用いることを嫌つて「数彦」と称して居り且つ「光男」と称するときは通常他から「光(みつ)ちやん」と呼ばれるところ近隣に「光三郎」と言う名の子供があつて「光(みつ)ちやん」と呼ばれて居り同人と混同するおそれのある事実が認められ現に「彦」の字は当用漢字であり以上の事実は戸籍法第百七条第二項に所謂名の変更について正当な事由ある場合に該当し本件申立を却下した原審判に対する本件抗告はその理由があるので家事審判規則第十九条第二項に則り主文の通り決定する。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例